【著作物紹介】池内有為准教授責任編集『「メタデータ」のパースペクティブ』(デジタルアーカイブ?ベーシックス)が刊行されました。
2025-06-20 (金) | 図書館司書養成コース
本書は、図書館や博物館、大学、企業などが公開するデジタルアーカイブに不可欠な「メタデータ」について、第一線の実践者や研究者が解説した論集です。
たとえば、2025年4月に公開された「文教大学ミュージアム」では本学の歴史的な写真や貴重資料の画像を見ることができますが、その裏側では画像や文献を管理?検索?保存するためにメタデータが作成されています。これは司書課程の「情報資源組織論」や「情報資源組織演習」で学ぶ図書館の目録にあたるものです。
本書では、図書館、博物館、アーカイブズ、商用データベース、学術研究、そしてWikidataやジャパンサーチなど、さまざまなデジタルアーカイブが開発してきたメタデータの取り組みや論点が紹介されています。これらを統合し、シナジーを生み出すために、それぞれが「どのような目的で、どのように作られ、どのようにつなげていけるのか」という視点から、専門家の皆さんに論じていただきました。
「デジタルアーカイブって何?」「目録作成って何の役に立つの?」と感じている学生のみなさんにも、ぜひ手に取っていただきたい一冊です。司書課程での学びが、未来の社会をより豊かにする「知識基盤」を構築するための技術やビジョンにつながっていることを実感できる内容です。
目次
序章 交差する「メタデータ」の実践と論点―対話と連携によるデジタルアーカイブの深化を期して 池内有為
第1部 メタデータの歴史的背景と展開
第1章 図書館目録のメタデータの標準化経緯と現在 谷口祥一
第2章 アーカイブズの記述標準とメタデータ 元ナミ
第3章 博物館情報の標準化とその系譜―欧米における展開とCIDOC CRMの確立 嘉村哲郎
第4章 Dublin Core―開発の歴史と基盤的概念 杉本重雄?永森光晴
第2部 メタデータの実際
第5章 商用データベース(雑誌記事索引)のメタデータ―大宅壮一文庫の雑誌記事索引データベース「Web OYA-bunko」の例から 鴨志田浩
第6章 「デジタルアーカイブ」からつくられた「データセット」のメタデータ―デジタル化資料内の「情報の位置」を軸として 鈴木親彦
コラム1 TEIとメタデータ 岡田一祐
第7章 生命科学におけるメタデータの歴史とその扱い 有田正規
第8章 人文学?社会科学総合データカタログ(JDCat)のメタデータ 前田幸男
第3部 メタデータをつなぐ仕組み
第9章 ジャパンサーチの正規化とLOD 神崎正英
第10章 教育関連メタデータLOD化の現状と課題 江草由佳
コラム2 つながる典拠データ、活用可能性は無限大!? 西村葉純
コラム3 アーカイブ機関におけるWikidataの活用と展望 福田一史
第11章 学術コミュニティが運用するメタデータスキーマ―DataCite Metadata Schema/JPCOARスキーマ 片岡朋子
第12章 メタデータ流通ガイドライン 河口由佳
第4部 メタデータの論点
第13章 巨人の肩とデジタルアーカイブ?オープンサイエンス運動―メタデータが円滑化する知の積み上げ 北本朝展
第14章 メタデータの二次利用条件とクリエイティブ?コモンズ 鈴木康平
第15章 デジタルアーカイブのメタデータ-多様性と論点 木村麻衣子
デジタルアーカイブ論の地平を開く―「デジタルアーカイブ?ベーシックス」の終刊について 柳与志夫
【責任編集】池内有為?木村麻衣子
【著 者】上記参照
【書 名】「メタデータ」のパースペクティブ(デジタルアーカイブ?ベーシックス)
【出版日】2025年6月20日
【出 版】勉誠社
【頁 数】416ページ
【 ISBN 】978-4-585-30306-0
▼「メタデータ」のパースペクティブ | 株式会社勉誠社
https://bensei.jp/index.php?main_page=product_book_info&cPath=18_72&products_id=103805
▼文教大学ミュージアム
https://adeac.jp/bunkyo-univ/top/